2012年9月10日月曜日

石槨内部の様子

誠に畏れ多いことですが、本日は石槨内部の撮影をさせていただきました。
本来決して見ることの出来ない、死者のための空間です。

粘土床に下りて、東側の小口を撮影した画像です。大きな一枚岩が使われていることがわかります。10面の鏡はこの石に立てかけられるように出土しました。遺体は頭部を東にして安置されていたようです。
左右の側壁の大半は昭和の積み直しですが、東西の小口は古墳構築当時のままが残っています。

東小口の拡大画像です。下半に大きな一枚岩を横たえ、その上は板石が積んで構築されています。このような構造は前期古墳では他に類例のないとのこと。
一方7枚ある天井石のうちで、この上に見えているいちばん東側のものが最も大きな石です。側壁崩壊の影響で多少傾斜していますが、ほぼ元位置を保っています。(石屋さんの推定では重量約1トン)

粘土床の直上から見た東小口です。粘土が緩やかに湾曲している様子がよくわかります。この上に木棺が安置されていましたが、湾曲の様子などから、割り竹型木棺とは断定できないということです。

一枚岩(砂岩)と粘土床の東端部分です。粘土床は礫層の上に構築されていたことがよくわかります。
粘土床のところどころは、雨滴などにより侵蝕されています。

西側の小口と粘土床西端部分です。

西小口の石積みは古墳構築当時のままに残っています。赤色顔料(ベンガラや丹=水銀朱)がいかにふんだんに使われていたかよくわかります。

東之宮神社へのお供えと作業員への差し入れ。いつも皆で有り難く頂戴しております。

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